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huesinks

倒れた目覚まし時計

消し忘れた昨夜の火

絨毯が出来合いの光に

覆われている

また


変わらずに輝いて 言葉だけ 離れないで

欲しいのはその愛で華やいだ不幸せ


清廉を背中に見て

窓辺に添えた優しさ

引き寄せた透明な糸は

この指を滑り落ちた


変わらずに輝いて 言葉だけ 離れないで

欲しいのはその愛で華やいだ不幸せ


贅沢な空の装い

私の手を取り歩き出す

浮き足立つまま身を任せる

鮮やかな朝が来ている

あなたは朝に似ている


変わらずに輝いて


欲しいのはその愛で



huesinks

待ち合わせ

くぐもった声

聞こえないのは、騒がしく唸りを上げている

人波のせい

体を浮かせてすぐ謀ろうとしている

夕景は雨


折り返し

受話器の声

聞こえないのは、凪いだ心にこびりついている

錆のせい

飾りを揺らしてまた踊ろうとしている

偶然は馳せる


調べ上げたとおりの道順をなぞる

計画は急加速する

車窓に映る顔

訪れる真夜中


走り書きする人の群れが

正確な位置について駆動

もつれる肌


huesinks

愛から生まれて はじめてのさよなら


呆れた顔 もう 見ないと思う


倒れそうでも 支えないように


零れ落ちても 掬わないように




愛から生まれて はじめてのさよなら


果てるふたり 流れゆく旋律




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