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huesinks

火が放たれた庭

動物が駆け回る

自我があるのか定かではないが

生きているそれは何にも勝るので

踊り狂うのを見ている


決まりきった滑稽な振る舞い

その中心に皆が指を向けて可笑しくなる


道化師でないのなら

偏った喜びだけでいい

舞台

宙を飛び交う歓声は壊れている


焼け焦げた円環は疑問符を引き摺り下ろす

そして強い光による忘却

快楽


感情を一意のものにする

本当も嘘も塗り潰して


道化師でないのなら

偏った喜びだけでいい

舞台

宙を飛び交う歓声は壊れている


異常を知らない観衆

警世を蹴り飛ばして騒ぐ


「生きている」

それは何にも勝るので





huesinks

陽射しに絡まって夜に急ぐ

新緑を追い越してひらく蕾


息もできないほど穏やかな生活

喉を濡らしてまた少し膨らむ


枝は熱を帯びる

誰にも知られずに


甘い時を微睡に浸せたなら

飛沫にかき消されてもかまわない

醜い愛

熟れた果実のよう

潰れて

ひどく悲しくなっても


枝からまたひとつ落ちていく

目覚めたくはないのに


甘い時を微睡に浸せたなら

飛沫にかき消されてもかまわない

醜い愛

熟れた果実のよう

潰れて

ひどく悲しくなっても



huesinks

炎天の日 交わる趣向をみて 息を吐き

先天の気 取り繕うのなら 表に出ろ

網膜を痛めつけて 倣う子ども ここに置き捨てて 惑わすまで待て


檻 濁っている 日々 酩酊 息遣い 夢 永遠 檻の外 足音 遠くまで


正に今が この世と知る結実の日和 そのとき



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